このブログを読んでくれている方から、ときどきこんな声をもらいます。

「使ってみたいけど、個人情報が心配で」

そうですよね。私も最初、そこが一番怖かった。保育の仕事で扱う情報は、自分のことじゃなくて子どもたちのこと。うっかりじゃ済まない。

だから今日は、私が決めているマイルールを全部公開します。「これさえ守れば使える」という話ではなく、「私はこう決めて、こう使っている」という一例として読んでください。

そもそも、なぜ慎重にしなければいけないか

AIにテキストを打ち込むとき、その内容はサービスの仕組みによっては学習や改善に使われることがあります。詳しい仕様はサービスによって違いますが、「送ったら消える」とは限らない。

子どもの名前・生年月日・住所・家庭の状況・障害や診断の情報——これらが外に出ることを、保護者は想定していません。保育士が「ちょっと便利だから」と使う道具の中に、その子の情報が入っていいはずがない。

信頼の土台は、こういうところにあると思っています。

私が「絶対に入れない」と決めているもの

① 子どもの名前(フルネームはもちろん、下の名前だけでも)

「れんくんが今日こんなことをして」と打ち込んだとき、「れんくん」が誰かは私しか知らなくても、名前という情報は入れない。「H君」「Rちゃん」のようにイニシャル1文字に置き換えています。

② 生年月日・住所・保護者の名前や連絡先

企画書や案内文を作るときも、個人が特定できる情報は一切入れません。「〇〇市在住の」も書かない。

③ 診断名・障害の種別・療育の情報

「自閉スペクトラム症の子がいて」という伝え方もしません。「月齢差が大きいクラスです」「言葉の発達がゆっくりな子がいます」くらいの、一般的な表現にとどめています。

④ 家庭の状況(ひとり親・経済状況・家庭内の問題など)

連絡帳の文章を整えてもらうときも、家庭の背景が読み取れる情報は削ってから渡します。

⑤ 特定の子だとわかるエピソード

名前を伏せていても、「今日、転んで膝を擦りむいた女の子のこと」「給食を毎日残している子の記録」のような書き方では、関係者が読めば誰かわかってしまう可能性があります。個人が浮かび上がらない粒度にする、というのが私の基準です。

入れていいものと、入れないものの境界線

じゃあ何なら入れていいの?という話です。私の基準はひとつ。

「クラス全体の話として書けるか」
  • 「4歳児クラスで、最近こういう遊びが流行っています」→ OK
  • 「H君という子が、こういう行動をしていて」→ NG
  • 「梅雨の時期の室内あそびのアイデアを出して」→ OK
  • 「特定の子に合わせたあそびを考えて」→ 個人情報を入れずに「こういう特性の子向けに」と伝える

クラスのみんなの話として書けるなら、個人情報は入れなくていい場合がほとんどです。

「完璧じゃないかもしれない」と思いながら使っている

正直に言うと、私のルールが完璧かどうか、自信はありません。AIのサービスの仕様は変わるし、「イニシャルだから安全」とも言いきれない。

でも、「怖いから使わない」より「ルールを決めて、守りながら使う」を選びました。その代わり、自分のルールは定期的に見直すつもりでいます。

このブログに書いてきたことも、全部このルールの中でやっています。記事を読んで「うちのクラスでもやってみようかな」と思ってくれた方にも、ぜひ一度、自分のルールを決めてから使い始めてほしいと思います。

今日のまとめ

  • 名前・生年月日・診断名・家庭の状況は絶対に入れない——イニシャル1文字に置き換え、一般的な表現にとどめる
  • 「クラス全体の話として書けるか」が判断の基準——個人が浮かび上がらない粒度を意識する
  • 完璧を目指すより、ルールを決めて守る——信頼の土台は、こういう小さな積み重ねにある

AIを使うかどうかより、どう使うかの話です。子どもたちの情報を預かっている私たちだからこそ、ここだけは丁寧に考えたい。

それでは、また。