突然ですが、毎月のおたより、どこから書き始めますか?

私は毎月、最初の3行——あの「時候の挨拶」で固まります。本文はわりとスラスラ書けるんです。今月の活動も、お願いごとも、ネタはある。なのに冒頭の「紫陽花が美しい季節となりました」的なアレが出てこない。

気がつくと去年のおたよりを引っ張り出して、「去年の自分、いいこと書いてるな…」と感心して終わる。そして微妙に言い回しを変えて使い回す。毎年、6月の私は去年の6月の私に頼って生きています。

この3行に、毎月20分くらい溶けていました。

まずは雑に頼んでみた(そして雑なものが返ってきた)

ある日、ふと思いました。これ、AIに書かせたらいいのでは?

で、最初に打った指示がこちらです。

「7月のおたよりの挨拶文を書いて」

返ってきたのは、こんな感じの文章でした。

「盛夏の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

…ビジネス文書!お中元に添える手紙か!

園のおたよりに「ご清栄」は出てきません。これは以前の記事でも書いた、私の聞き方が悪いパターンです。AIは「おたより」が保育園のおたよりだと知らないし、読む相手が保護者だということも知らない。当たり前ですよね、言ってないんだから。

情報を3つ足したら、別人になった

そこで、指示にこの3つを足しました。

  • 誰が読むのか(保育園の保護者)
  • どんな文体か(やわらかく、ひらがな多め)
  • 子どもの様子をひとこと(水あそびが始まった、など)

実際のプロンプトはこちら。そのままコピペして、◯◯だけ書き換えれば使えます。

「保育園の7月のおたよりの冒頭に載せる、時候の挨拶を3パターン書いてください。 条件: ・読むのは保護者。やわらかく、ひらがな多めで親しみやすく ・2〜3文。長すぎない ・園の様子をひとこと入れる:「◯◯(例:水あそびがはじまり、子どもたちの歓声がひびいています)」 ・「〜の候」のような手紙の定型句は使わない」

返ってきたのがこちらです。

「毎日せみの声がにぎやかな季節になりました。園では水あそびがはじまり、子どもたちの元気な歓声がひびいています。」
「夏の日ざしがまぶしい7月。プールに入るたび、子どもたちの笑顔がきらきら輝いています。」

ちゃんと「おたよりの人」が書いた文章になりました。3パターン出してもらうのがコツで、一番しっくりくるものを選んで、語尾だけ自分の言葉に直せば完成です。ここまで、本当に5分です。

来月以降はもっとラクになる

このプロンプト、一度作れば「7月」を「8月」に、園の様子のひとことを差し替えるだけで毎月使い回せます。私はメモアプリに貼ってあって、おたよりの季節になったらコピペするだけ。

去年の自分に頼る生活、卒業しました。今は「先月の自分が作ったプロンプト」に頼って生きています。進歩…してますよね?

ひとつだけ、お約束

園の様子をひとこと入れるとき、子どもの名前や、特定の子だとわかるエピソードは入れません。「水あそびがはじまりました」「七夕かざりを作りました」くらいの、クラスのみんなの一般的な様子で十分です。むしろ挨拶文はそれくらいがちょうどいい。私のマイルールについては、また別の記事でちゃんと書きますね。

今日のまとめ

  • 「誰が読むか」を必ず伝える——「保護者向け」の一言でビジネス文書化を防げる
  • 園の様子をひとこと添える——これだけで「うちの園のおたより」になる
  • 3パターン出させて選ぶ——ゼロから書くより、選んで直すほうが圧倒的に速い

時候の挨拶に使っていた毎月の20分。私はその時間で、連絡帳をひとつ余分に、ていねいに書けるようになりました。事務の3行はAIに。子どもへのまなざしは、私たちに。

それでは、また。