梅雨、ですね。

保育士にとって梅雨は「今日なにしよう」の季節です。朝、窓の外がどんより灰色だと、心もちょっと灰色になる。お散歩は消えた。園庭も消えた。残されたのは、お部屋と、体力が有り余った子どもたち。

新聞紙あそび、マット運動、リズムあそび…手持ちのカードを切っていくんですが、雨が3日続くと在庫が尽きます。4日目の朝、靴を履きながら「今日なにしよう」。

で、思いました。この「今日なにしよう」、AIに聞いたらどうなる?

最初の答えは、キラキラしすぎていた

例によって、まずは雑に聞きました。

「園でできる雨の日の室内あそびを教えて」

返ってきた案のひとつがこちら。

「廃材を使った工作コーナーを設置し、子どもたちが自由に創作活動を楽しめるアトリエ空間を作りましょう」

アトリエ空間。素敵です。素敵ですが、それは「今日の10時から」できるものではない。廃材のストックも、コーナーの準備も、今日の私にはありません。今ほしいのは「準備ゼロで、今すぐ、4歳児24人と部屋でできること」なんです。

そう、また私の聞き方の問題でした。現場の事情——年齢、人数、部屋の広さ、準備時間、今あるもの——をAIは知りません。言ってないんだから。

現場の条件を全部盛りしたら、即戦力が出てきた

そこで、こう聞き直しました。◯◯を自分のクラスに書き換えれば、そのまま使えます。

「保育園の雨の日の室内あそびを5つ提案してください。 条件: ・◯歳児、◯人、保育士は◯人 ・場所は保育室(ホールは使えない日を想定) ・準備時間ほぼゼロ。使えるのは新聞紙、マット、ボール、布くらい ・体を思いきり動かせるあそびを中心に ・安全面の注意点もひとことずつ添えて」

私が「2歳児15人」で試したときに出てきた案には、こんなものがありました。

「しんぶんしの雨ごっこ:新聞紙を小さくちぎって頭の上からひらひら降らせ、「雨だー!」と浴びたり集めたり。最後はみんなでビニール袋に集めて「てるてる坊主」に。 注意:紙を口に入れる子がいないか目を配る。」

ちぎる(指先)、浴びる(大はしゃぎ)、集める(お片づけが遊びになる)、てるてる坊主(製作に着地)。一連の流れになっているのがずるい。実際にやってみたら、お片づけ競争が一番盛り上がりました。なんでや。

本当の必殺技は「おかわり」

そして今回一番伝えたいのはここです。AIのアイデア出しは、一発目で決めようとせず、追加注文するのがコツです。

  • 「もっと静かなあそびに寄せて5つ」(お昼寝前用)
  • 「ピアノなしでできるリズムあそびだけで5つ」
  • 「この『しんぶんしの雨ごっこ』を、5歳児向けにアレンジして」

人間の同僚に「あと10案ちょうだい」と言ったら確実に嫌われますが、AIは何度おかわりしても嫌な顔ひとつしません。雨の日の引き出しが、その場で増えていきます。

ちなみに私はおかわりしすぎて、使い切れない案が20個くらいメモに眠っています。梅雨はまだ長いので、在庫と呼ぶことにします。

いつものお約束

条件を伝えるときは「2歳児15人」のようなクラスの一般的な情報まで。子どもの名前や「◯◯ができない子がいて…」のような特定の子の話は入れません。配慮が必要な場合も「月齢差が大きいクラスです」くらいの伝え方で、ちゃんと汲んでくれます。

今日のまとめ

  • 現場の条件を全部伝える——年齢・人数・場所・準備時間・今あるもの。これが「アトリエ空間」と「今日使える案」の分かれ目
  • 安全面の注意点も一緒に出させる——提案とセットで出ると、頭の中でリスク確認までできる
  • 一発で決めずに「おかわり」する——静かめに、年齢を変えて、と注文するほど引き出しが増える

雨の日の朝の「今日なにしよう」が、「今日はどれにしよう」に変わる。たったそれだけのことですが、靴を履きながらつぶやいていた頃の私には、けっこう大きな変化でした。

外は雨でも、お部屋の中は晴れにできます。

それでは、また。